フォークコラムカット・スタファン圧入

written by らんぼー

なぜ一番上のスペーサーの真ん中あたりに線を引いたのか?

ではここでヘッドパーツの構造を理解しておきましょう。

まずこれがインテグラルヘッドのヘッド周り断面図です。



次の図で、見にくいのでステムと一番上以外のスペーサーを消します。

スターファングルナット(コラム内の傘のようなもの)は今回の最後に圧入しますが、これはコラム内で強固に固定され、動くことはありません。

よってスターファングルナットはコラムと同化していると考えていいです。



トップキャップボルトを締め付けることにより、下向きの矢印の方向に締め付ける力がかかります。

するとスターファングルナットはコラムと同化していますから、コラム全体がトップキャップの締め付けにより上向き矢印方向に引っ張られます。

よって上からも下からも締め付けられることになり、それによって全てのパーツ同士の隙間が無くなり、ガタが無く組み付けることができます。

コラム上部の拡大図です。



先ほど見やすいように消しましたが、ステムとスペーサーは入っているものとします。

トップキャップは簡単に言うとそろばんの玉のような形をしており、コラムとの接地面はスペーサーとの接点より少し下にあります。

よって、仮にスペーサーとツライチでコラムをカットしてしまうと・・・



トップキャップが締め付ける前にコラムとの接地面に当たってしまい、スペーサーと接しません。

これではヘッド全体を締め付けることができず、各部の隙間は空いたままです。

こうなるとブレーキをかけながらハンドルを前後左右に揺するとガタガタと動いてしまいます。

そうならないように、わざと一番上のスペーサーよりちょっと下辺りでコラムをカットするのです。

ではここで実際にスペーサー上面とツライチでコラムを切った場合にどうなるかを画像で見てみましょう。

マウスを画像に乗せると切り替わるので、比較してみてください。



ヘッドキャップを完全に締めていますが、コラムに先に当たってしまいスペーサーと接していません。

よって上から締め付ける力がかからず隙間ができ、上下にカタカタと動いてしまいます。

これは意図して撮影しましたが(ウソ)、画像右上のキャップとスペーサーの影が非常に分かりやすいですね(笑)。

スペーサーとトップキャップ間に隙間があるのが良く分かります。

言葉ではなかなか説明しにくいので分かりにくいかもしれませんが、とにかくスペーサーとコラムはツライチではなく、コラムが数ミリ短くなるようにカットしないといけないわけです。

ただ、例えばスペーサーを2枚入れる予定でカットしたところ、カットする長さが足りなくて上記のことが起こってしまったとします。

それならばスペーサーを1枚足して3枚にすれば、コラムの方がスペーサーよりも下にきますので、それで対処することもできます。

基本的にはスペーサーでそのような微調整が可能なので、そこまで厳密にコラムをカットするラインを決める必要はないと言えます。


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